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「カクテルで、心奪われる瞬間を」Cocktailante Oboroオーナー 山川俊太さん

仕事の日も休日も、日々の暮らしを楽しそうに過ごし、“いいあんべぇ”なライフスタイルを送る人物にスポットを当てたインタビュー企画「いいあんべぇな大人たち」

今回インタビューしたのは、西麻布にある会員制Bar「Cocktailante Oboro」にてオーナーを務め、各企業の新メニュー開発や、イベントプロデュース、雑誌のカクテル製作など多方面にてご活躍されている、山川俊太(ヤマカワ シュンタ)さんです。

Eanbeの酒井がOboroにお邪魔させてもらったり、同じ熱波師の資格を持ち、サウナにも一緒にいくことがある俊太さん。そんな俊太さんにとっての「いいあんべぇ」とは何か、いつもは飲みながら雑談ばかりしていましたが、今回は真面目にお話を聞かせていただきました。


※いいあんべぇは、沖縄などの方言で気分が良い時に使う言葉

 

「カクテルで、心奪われる瞬間を」

ーー俊太さんとこうして真面目にお話を聞くのは初めてなので嬉しいです!

そうだね、真面目なのは初めてだね。 

ーー早速、お話を伺っていきたいんですが、現在されているお仕事について改めて聞かせてください。

Oboroの店舗の中でいうと、フルーツなどの素材を使ったカクテル中心でやってるんですけど、近年はアートディレクションとかクリエイティブ系の仕事も割と多くなっています。空間のデザインも僕がやってるんですけど、新店舗立ち上げ時のコンセプトワークとか、あとはそこから引っ張ってきた店舗に合わせたドリンクのプロデュースとかを外注でやったり。店舗7割、そういった外仕事3割みたいなぐらいで。

ーーそもそもバーテンダーになったきっかけって何だったんですか?

学生のときは美容師になりたかったんですよ。美容師になりたくて、中高進んで、専門学校に入るんですけど、美容学生中にどうせ一人暮らしするから、料理は覚えたほうがいいなと思って、イタリアンレストランにバイトで入ったんです。そこが割とガチのとこで、バイトなのにすごい本気な修行させてきて。でもそれが楽しくなってきちゃって、週4週5で2年間ぐらいやって、気づいたら美容より飲食のほうが好きかもしれないなとなって。

それで自分の店を持つってことを考えたときに、料理はある程度できるようになったし、お酒も作れたらいいよねっちゅうことで、20歳ぐらいで神奈川の地元のバーに就職して入ったんです。ただ、そこも割とマジのバーで。バーテンダー協会っていう団体があるんですけど、そこに所属して、大会とか出ろよみたいなところで。人と争うの好きなので、勝ったり負けたり、ということやってたら、めっちゃ好きになってきて、それでそのままストレートに2年ぐらい働きました。

でも、大会とかで東京のやつらにどうしても勝てないっていうのがあって。情報が遅くて、トレンドも遅いし、技術も伝わってきてないやつとかいっぱいあったりして。自分も東京に来なきゃなと思って西麻布に来て、それが一個前のアンバーってお店だったんですけど、そこで6年ぐらい働いた後に独立してOboroをオープンしたって感じですね。

ーー独立するタイミングはどうやって決めたんですか?

ざっくりとしたでっかいライフプランとして、30までに独立するって決めてたんですけど、26、7ぐらいのときに、割とそこまでに固めてなきゃいけないであろうと思ってた自分のなかの何本かあった柱が全部固まったんです。別に今ここで使われてる必要ないなってフェーズに早巻きできちゃったので、28ぐらいのときに独立しました。今のところ、人生が結構巻きで来てる最中ですね。

 

美味しいって言って帰ってもらえるのが、シンプルだけど一番良い

ーーお仕事をされる上で、大切にしていることは何ですか?

素材をまず大事にしてることです。フルーツは日本各地とか世界中からとってるんですけど、その中でも今一級品のピンのものって言って、一番入るいいものだけを仕入れてて、めちゃくちゃいい状態にコントロールするんです。お寿司屋さんでいうとマグロ熟成させて美味しいとこだけ使うみたいな、そんな処理をフルーツでしていて。

※oboro instagramより

テクニックは色々とあるんですけど、余計な変な雑味とかのところを切っていって、本当にフルーツの美味しいとこだけ残して出すみたいな。素材自体がいい状態になったものを一番いい状態で出すっていうことに特にこだわってやっています。 

ーーその技術は以前のお店で学んだんですか?

これはほぼオリジナルです。使ってる副材料とかも多分普通のバーで使ってない湧き水とかを使ってたりとか。フルーツを使うときに使う技術がそもそもバーにはない技術で、世にないので、自分で開発していくしかないんです。仕入先も自分で探して実際に足を運んで見に行ったりとか、野菜やフルーツで面白いことをやってる人間には日本中にアンテナはっていますね。結局いろんなことをやった結果、今の方法に落ち着いてる感じです。

 

ーーお仕事をされていて、いいあんべぇな瞬間を教えてください!

いろんな仕事で多分いいあんべぇな瞬間はあるんですけど、美味しいって言って帰ってもらえるのが、シンプルだけど一番良いですね。お店に入ってきたときよりもちょいプラスな、幸せな気持ちになって帰ってもらえたらいいなって。美味しいもの飲んだりとか、いい映画とかいい絵画見たときって、時間が止まるみたいなハッとする瞬間ってあるじゃないですか?それをカクテルとか味で作りたいんですよね。その瞬間を、心奪われる瞬間を。

アートにも造詣が深い俊太さん。お店の看板とも言えるカウンター内の壁画は、小学生の頃一番最初に好きになったというゴッホの『星月夜』

 

あと「なんとなく1杯出す」っていう作業がしたくて。と言っても一見何も考えてない風なんですけど、お店にお客さんが入ってきた瞬間からその人たちのことを見ていて、どういう動きで、どんな顔してどんなメンバーで来てるかかを見てて、それに合わせてレシピも時間帯とかで変えるんです。

お店がめちゃくちゃ混んでて、みんなめちゃめちゃ飲んでる状態でも、この人はこの感じで刺さるだろうなって考えて、スッとお酒を提供したときに、ヘラヘラしてた友達とかが「めっちゃうめえなこれ!」みたいになる時があるんですけど、そういう瞬間は覚えていて、嬉しいですね。お客さんの中にはうますぎて泣きだしちゃう人なんかもいたりして、この仕事やっぱり面白いなって。

整う=いいあんべぇ

ーー普段の生活の中での“いいあんべぇ”も教えてください! 

これはもうキャラクター的にはサウナ。サウナ入ってるときって言うしかないな笑 でもまじでサウナ入ってるときはもう最高っすね。特に、水風呂を出て休憩しているときの整い中っていうんですかね、あの瞬間はやっぱ結構いいっすね。いいあんべぇです。最近は入り方も独自になってきていて、サウナのあと水風呂に入らないとか、マニアックな入り方もしてます。いきなり外に出て外気浴するとか。水風呂入って、もう一回すぐお風呂入って出るとか。独自の入り方をするのにはまってます。

 

ーー俊太さんも「熱波師」の資格を持ってますけど、資格を取ってから何か変化はありましたか?

すごいのが、サウナに呼ばれるようになるんですよ。ちょっと知ってるぐらいの間のお客さんとかサウナ仲間たちがいて、独自にみんな友達同士で行ってるじゃないですか。なんとなく繋がっていて、そういえばあいつ熱波師持ってるらしいよなみたいな、ちょっと呼んでみようぜと言って友達増えたりとか。経営者の先輩とかは、そういえば山川くんって熱波師持ってるんだよねって、今度俺ら貸切サウナするからさ、あおぎ来てよみたいな、そういう謎な交友が。

ーー確かに、僕も交友が増えました。あとは、一つ違うぞ感も出ますよね!

そうそう。サウナーって言うじゃないですか、サウナ好きの人たち。サウナーヒエラルキーがちょっと上がる。おれプロだからみたいな。周りの人も、あいつは熱波師だから、あいつはちょっとプロだわみたいな。資格としてめっちゃいいですよ。

 

ーー今回、Eanbeのアロハを着てみて、率直な印象を教えてもらえますか?

一言で言うと、着やすい。長袖アロハってもっと重いのかなと思ってたら、思ってたより重くないというか、さらっとしていて良い感じ。 今回はジャケットを着ようかなと思ってたんですけど、ちょっとしたセミフォーマルの時とかに、中に外しで着るっていう使い方はいいんじゃないかな。

柄もそうですし、結構個性的なので、かっちりフォーマルは無理ですけど、ちょいゆるっとした友達のパーティーとか、これ着て上からしっかりした格好で行ったりとか、ハズしでおしゃれなんじゃないかなと。直接的にゆるっと着るとそっちに寄りすぎるので、スマートな方向に使おうと思ってます。バランスが大事かなって。

ちょっとした工夫で家飲みをワンランク上げるコツ

ーー今、コロナで外で飲めない代わりに、家飲みが少しグレードアップするようなちょっとしたコツだったり、レシピがあったら教えて欲しいです!

例えばですけど、缶のレモンサワー買ってきたら、ちゃんとロックの氷入れてレモンのカットみたいなの作って絞るだけで全然美味しくなるので、そういう一手間あるといいかもしれないですね。シャンパンとかワインもただ飲むんじゃなくて、イチゴとかのフルーツを買って、切ってワインとかシャンパンのなかに入れてみるとかだけで全然におしゃれだし、美味しくもなるし。お酒といろんなフルーツ素材を合わせていくのがいいかも。

ーー確かに、一手間加えるだけで家飲みが楽しくなりそうです。

具体的なレシピで言うと、例えば、この時期ミカンとか家届くじゃないですか。ミカンをスクイーザーみたいなので絞って、ミカンジュース作ってコップに入れて氷を入れて、家にある適当な焼酎とかウォッカとか、大体指二本分とか一本分ぐらい入れる。そこにガムシロップ一個とか入れてまぜて飲むと、めっちゃおいしいミカンハイみたいなのができたりとか。

ーー美味しそう!ミカンハイ、Eanbeスタッフで実際に作ってみたいと思います!

本当はいいシロップを使って欲しいんですけど、家ならコーヒーに入れるようなやつでも。多少の甘味は少し乗っけてあげて。もっとできるならレモンとかライムの酸でバランスとってやるんですけど、家だったらただミカン絞って、キンミヤとか適当に混ぜて氷入れてグルグルしてこういうので出来ちゃう。お歳暮とかで届いたりしたフルーツは、割と自作カクテルにできますよ。

つまみには、松前漬けとか昆布系のうまみのあるものが柑橘系にすごく合います。あとは、イカのお寿司食べるときに、上からゆずとかすだちかけてるパターンあるじゃないですか。そんな感じで、イカとかあたりめとか、ああいう甘さがあってちょっと海っぽい臭いがあるものも柑橘系にはすごく相性が良いのでオススメです。

※最後に熱波師サウナー2人でパシャリ 右:酒井大輝 

 

普段会う際はゆるい感じの雰囲気で接していただきながら、仕事も遊びも決めるときはビシッと決める。

そんな緩急がかっこよくて憧れる、まさに“いいあんべぇな大人”の俊太さん。また一緒にサウナに行きましょう!ありがとうございました!

 

 

【プロフィール】

山川俊太(ヤマカワ シュンタ)

1987生まれ神奈川県出身。18歳よりイタリアンレストランにて飲食の世界に入る。

20歳で日本バーテンダー協会所属のバーに入り、多数のカクテルコンテストに入賞。

ウイスキーコニサーの取得。

現在西麻布Cocktailante Oboroにてオーナーを務める傍ら、各企業の新メニュー開発や、イベントプロデュース、雑誌のカクテル製作など多方面にて活動中。

*セカイノオワリ インソムニアトレインツアー オフィシャルカクテルプロデュース

*olmeca altos bandera cocktail competition JAPAN 優勝(同世界大会出場)

 

■俊太さんInstagram

https://www.instagram.com/shuntata/

Cocktailante Oboro Instagram

https://www.instagram.com/cocktailanteoboro/

Cocktailante Oboro HP

https://oboro.paintory.com/ 

※現在Cocktailante Oboroは会員募集期間ではないのですが、メニュー開発、イベントプロデュース、カクテル製作などに関しての相談があれば気軽に連絡くださいとのことです!

 

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